2025年10月11日(土)に放送された『キングオブコント2025』では、ロングコートダディが見事優勝を果たしました。
しかし放送直後からSNSでは、「今年はレベルが低い」「つまらない」「消去法の優勝だったのでは?」といった声が相次ぎ、賛否両論が飛び交いました。
そこで本記事では、視聴者の声をもとに「なぜキングオブコントが年々つまらなく感じるのか」を検証しながら、
それでもこの大会が今なお“面白い”と言える理由を丁寧に解説します。
- 2025年のキングオブコントが「レベルが低い」と言われた主な理由
- SNSで広がった「つまらない」という声の背景
- コンプラや時代の変化が笑いに与える影響
- 審査やネタ選びに見られた“ズレ”の正体
- それでもキングオブコントが「見る価値あり」と言える理由
キングオブコントはもう面白くない?
#キングオブコント 2025🏆
— キングオブコント【公式】 (@koc_staff) October 11, 2025
18代目王者は…
‼️👑ロングコートダディ👑‼️#ロングコートダディ#キングオブコント 2025 pic.twitter.com/zQ7qTPVvls
2025年のキングオブコントは、放送直後からX(旧Twitter)を中心に批判的な声が多く投稿されました。
特に目立ったのは、「つまらない」「今年はレベルが低い」「おもんない芸人ばかり」といった感想です。
- 「キングオブコント今んとこ全くおもんない」
- 「昔はもっとドキドキした。今は賞金1000万円だけの番組」
- 「全部が全部じゃないけど、審査員もレベル低くないか?」
- 「落ちが弱すぎて雑なコントが多かった」
- 「YouTubeでサンドイッチマン見てたほうがマシかも」
このようなコメントが、放送当日の数時間だけで何百件も投稿されていたのです。
神回の記憶が基準になっている
中には「昔はもっと面白かったのに」という比較的な意見も多く見られました。
特に、空気階段が優勝した2021年大会は「史上最高の神回」と称され、多くの視聴者に記憶されています。
それ以降、視聴者の期待値が年々上がってしまったことで、少しでも満足感が得られないと“つまらない”と感じやすくなっている可能性があります。
つまり、今のキングオブコントが一概に質が低いわけではなく、過去の大会が強すぎたために、相対的に見劣りしてしまうという側面も否定できません。
視聴者の感覚が変化
もう一つ見逃せないのは、視聴者の「笑いに対する感覚の変化」です。YouTubeやTikTok、ショート動画などの影響で、短時間で強いインパクトを求める人が増えています。
コントは基本的にストーリー性がある分、展開や“間”を大切にするネタが多いため、「テンポが遅い」「入りが弱い」と感じられやすくなっているのです。
特に「ツッコミがないからお遊戯会に見える」という声もあり、漫才に比べて“静的”な演出のコントは、世間のテンポに合わなくなってきているのかもしれません。
「面白くない」は一部の声?
ただし、全てが否定的なわけではありません。
ロングコートダディのネタに対しては、「構成がうまい」「後半の爆発力がすごかった」と称賛する声もありましたし、や団の1本目、ベルナルド、元祖いちごちゃんなどに対する好意的な意見も存在しています。
つまり、「キングオブコントは面白くない」と一括りにされがちですが、好みの問題が大きく関わっており、すべての視聴者がそう感じているわけではないという点も抑えておくべきです。
レベルが低いと言われる理由!
ここ数年のキングオブコントを見た視聴者の中には、
「レベルが下がった」「昔より笑えない」と感じる人が増えています。
特に2025年大会は、SNSでも「全体的に完成度が低い」「消去法の優勝」という言葉が飛び交いました。
では、なぜそのように言われてしまうのでしょうか?
実際の視聴者の意見や構成上の問題点から、“レベルが低い”と感じられる5つの主な理由を探っていきましょう。
審査員のコメントに納得感がなかった?
今年のキングオブコントでは、審査員のコメントや点数に対する不満の声も多く上がっていました。
「なんでこのネタが高得点なの?」「浜ちゃん以外面白くない」「忖度で勝たせたように見える」など、評価の基準が不明瞭だという不信感が広がっていたのです。
特にファイナルラウンドでは、や団やレインボーのネタに対して「1本目との落差が激しすぎた」という声も目立ち、“消去法の優勝”という印象を強めてしまいました。
ネタの選び方と構成に問題?
キングオブコントでは、準決勝で2本のネタを披露し、そのうちのどちらかをファースト・ファイナルラウンドで使うというシステムが採られています。
この形式が、ネタ選びのミスにつながりやすいという問題点があります。
たとえば、以下のような意見がありました:
- 「うるとらブギーズが2本目にやる予定のネタを1本目でやっていたら評価は変わったはず」
- 「ファイヤーサンダーは最初に出したネタで勝ち目がなくなった」
- 「ベルナルドや元祖いちごちゃんのネタは準決勝では受けていたが、決勝では響かなかった」
このように、「ネタの使い方」や「順番」の戦略ミスも、“レベルが低く見えてしまった”原因の一つと言えるでしょう。
演出のギャップが「笑い」を妨げた可能性も
また、準決勝と決勝でのステージ環境の違いも見逃せません。
準決勝では、照明や音響が控えめな劇場で演じられるため、芸人が細かい間や演出をコントロールしやすい環境にあります。
一方、テレビで放送される決勝では、明るい照明・豪華なセット・複数のカメラが芸人の演技を切り取ってしまい、「間」や「空気感」が伝わりづらくなるのです。
結果として、「準決勝では爆笑だったのに決勝ではスベっていた」というようなネタの“見え方”のギャップが、視聴者の期待を裏切ってしまう形になったと考えられます。
芸人の実力不足?
ネット上では「今年は実力不足」「決勝にふさわしくない組が多い」といった厳しい声もありましたが、準決勝を実際に観た視聴者からは「35組中の絞り込みが難しいほどハイレベルだった」という意見も出ていました。
つまり、“レベルが低い”のではなく、“テレビ放送としての見せ方が合わなかった”という側面も大きく、評価の難しさが年々増しているのが今のキングオブコントなのです。
キングオブコントが面白いと言える理由
ここまで「面白くない」「レベルが低い」といった否定的な意見を中心に見てきましたが、
それでもキングオブコントには“今の時代だからこそ面白い”魅力が確かに存在します。
むしろ、変化するお笑い業界の中で挑戦を続ける芸人たちの実験場としての価値が高まっているとも言えるのです。
多様な笑いが共存する“実験の舞台”
キングオブコントは、漫才のM-1とは違い、「設定」や「演技力」など幅広い表現を試せる舞台です。
たとえば2025年大会でも、王道のシチュエーションコントから、不条理・演劇寄りのネタまで幅広いスタイルが登場しました。
確かに「わかりにくい」「クセが強い」と感じるネタもありますが、それは裏を返せば、まだ誰も見たことのない笑いに挑戦している証拠です。
完成された笑いよりも、“実験的なおかしさ”や“意外性”を味わえるのが今のKOCの醍醐味といえるでしょう。
新しい才能を発掘できる大会
キングオブコントは、まだテレビで知られていない若手芸人の登竜門としての役割も担っています。
これまでの大会でも、にゃんこスターや空気階段、サルゴリラなど、KOCをきっかけにブレイクしたコンビが数多く誕生しました。
SNSで「誰これ?」と言われる芸人が、一夜にしてトレンド入りするのもKOCの魅力のひとつ。
今年も、ベルナルドや元祖いちごちゃんなど、新しい感性のコント師たちが注目を集めました。
お笑いの裾野を広げるという意味で、この大会は今も価値を持ち続けています。
“テレビとSNSの融合”で楽しみ方が広がった
かつては放送をリアルタイムで見るだけだったキングオブコント。
しかし今は、X(旧Twitter)やTVerなどを通じて、視聴者同士がリアルタイムで感想を共有できます。
「どのネタが好き?」「審査甘くない?」と意見を言い合いながら見ることで、
番組そのものが“一緒に体験するイベント”に進化しているのです。
また、見逃し配信やショート動画で「後から見返して笑う」という楽しみ方も増え、
テレビとネットを横断して楽しめる新しい笑いの文化が広がっています。
“今の笑い”をリアルに映すショーケース
キングオブコントを見て「昔の方が面白かった」と感じる人が多い一方で、
それは同時に、「お笑いが進化している証拠」でもあります。
時代が変われば、笑いの価値観も変化します。
社会問題や多様性が意識される現代では、芸人たちは“誰も傷つけない笑い”や“新しい切り口の笑い”を模索している最中。
そのため、昔ほど過激ではなくても、繊細で考えさせられる笑いが増えているのです。
つまりキングオブコントは、単なる「ネタ番組」ではなく、
時代の空気を映す“笑いの実験場”として進化していると言えるでしょう。
“つまらない”という意見さえも含めて面白い
興味深いのは、「つまらない」「理解できない」といった意見が出ること自体が、
この大会の多様性を示しているという点です。
誰もが同じポイントで笑う大会よりも、
「人によってツボが違う」キングオブコントだからこそ、SNSで議論が生まれ、再生され、語られる。
その盛り上がりこそが、今の時代における“面白さ”の形なのではないでしょうか。
このように、キングオブコントは単に「ネタの出来」で評価される番組ではありません。
むしろ、芸人たちが挑戦し、観客が意見を交わしながら“笑いの可能性”を広げていく――
“お笑いの文化そのもの”を体感できる場になっているのです。
まとめ
キングオブコントが「つまらない」「レベルが低い」と言われる背景には、視聴者の感覚の変化やテレビの制約、審査への不信感など、複数の時代的要因があります。
しかし、それでもこの大会は「笑いの実験場」として、お笑いの多様性を広げる重要な役割を果たしています。
新しい笑いを発見する楽しさ、そして“今”の芸人たちの挑戦をリアルに感じられる場所——それが、今のキングオブコントの真の面白さなのです。
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